Monday, March 12, 2012

IT依存症




先日朝日新聞でトップレス会議という物を紹介している記事を読みました。
トップレス会議って上半身裸の会議??と思いましたがトップレスのトップの意味ははラップトップのトップです。つまりデジタル機器の持ち込みを禁止する会議のことです。紙とペンだけ持って集まり、ガチで議論するという事です。シリコンバレー発祥の言葉で、オックスフォード大学出版部による「ワード・オブ・ザ・イヤー」の2008年版最終候補になったそうです。私はこれはグッドアイデアと思いました。

最近の会議で気になる事は会議中なのに誰もスクリーンを見ていない事です。なぜなら皆自分のラップトップの画面とにらめっこしているからだ。別の資料を作成したりメールの処理をしたりおおよそ会議とはまったく関係のない事をしている事が大半だ。本来意見をぶつけ合って深い議論をして方向性を導きだすはずの会議がITの進化とともに全く機能しなくなって来ている。私もPCを持ち込んだときはついやってしまう。

また会議の資料も昔と比べて綺麗だが全く的を射ていないただページだけが多いパワポの資料が目立つ。ペーパーレス化を目指してパワポとプロジェクターを使ったプレゼンスタイルになり議事録もその場でPCで作成し一気にメールで配信するという会議があたりまえになり便利にはなった。しかしその反面本来の目的である議論するという目的に対しては退化している。

会議だけではない社内のIT化によって職場の雰囲気も激変しました。ほとんどの社員は1日の大半をPCに向かって過ごし話し声も無くなりました。管理職からすると今誰が忙しくてどんな仕事をしているか見えなくってしまったのです。話せば5分ですむ内容の事を1時間かけてメールをしてたりネットサーフィンしていても外からはわかりにくいのでさぼっている人には良い状況です。

パソコン一人一台時代となったのは90年代。そこから一気にオフィスのIT化が加速しました。
メールでの情報共有が当たり前になり、パワーポイントなどのソフトにより美しい資料が誰でも簡単に作れるようになり、テレビ会議で移動しなくても会議が出来るようになったりと次々と効率を上げる為のアイデアがオフィスに浸透しました。このようにIT化は効率化に必要不可欠な存在として賞賛されてすごい勢いで発達してきました。

しかしそれは同時に多くの依存症の人を増やしました。
パソコンが無いと資料が作れない。念のためといろいろと情報を添付してしまう。
メールが無いとコミュニケーションが取れない。
ついコピペを多用して安直に資料を作ってしまう。

このような症状をもつ人が近年増えています。そして我々が便利で効率がいいと信じて疑わなかったIT化が実は効率を悪くするケースもあるという事に一部の人は気づき始めました。

パワポなど年々出来る事が進化してしているがかえって非効率になっている。
なぜなら余計な影やアニメーションなどはやりすぎるとかえって見にくいし制作に時間もかかる。インターフェースも変わるたびに学習しないといけない。そして安直なコピペで増えた大量のページ数の資料は伝えるべき事がぼやけるし会議時間が長くなる。

メールに関しては業務の連絡手段としての使い方はもう限界に来ています。与えられる情報が膨大になりすぎてさばききれないのです。一説によると迷惑メールは全体の8割だとか。企業は大きなコストをかけてフィルター機能を設けています。でも『身内の迷惑メール』は防げていません。CCメール、つまり『参考に』と同送するメールです。『聞いていないぞ』とか『知らなかった』と言われないためでしょう。IBMの社員でメールをやめて多くの人と情報がシェア出来るツイッターなどのSNSを使うというひとも出て来ました。

インターネットで見つけた意見ですがまさにIT依存症に対して的を射た意見を言ってる方がいるので紹介します。
ITは恐ろしいくらい便利な道具です。でも便利さゆえの「安直さ」もふくまれます。
仕事の質はそれをおこなう人間次第のはずなのに、まるで「IT次第」のような誤解もみられます。ITを道具にすれば効率は良くなります。でもそれは「仕事の質」じゃない。質を置き去りにしたまま効率を求めれば、現場から仕事の深みや愚直さが排他される危険性があります。とても大事なことなのに。ITのもたらす「安直さ」はそのまま人の手抜きにつながり、効率はやがて質の低下をまねきかねません。」

結論としてはITは本来、時間を作るためにあるはずです。作業を早くすませ、もっと質の高い仕事をするとか、生み出した時間で現場に行くとか人に会うとか。それなのに、ずーっとPCにへばりついていませんか? 結果としてとても大切な現場、現物、現実主義が失われています。
ITは企業にとって必要不可欠な物であるがあくまで効率をよくする為の道具で仕事の質はあげてくれないという事を私を含め使う側の人間が再認識する時期に来ていると思います。要は使いようなんですね。ということでトップレス会議はぜひ我が社でも導入してほしい。
IT addictionの日本語版

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